実家の玄関を開けると涼の泣き声が聞こえた。タウエと別れてからボーっと、ここまで歩いて帰ってきた私はハッと現実に戻る。
「ただいまー!涼はいい子にしてたぁ?」
「いい子だったわよ〜たった今泣きだしたのよ!お腹すいたんだと思うわ」
「そう、ならよかった。おっぱい飲ませてくるね。」
「どうだったの?13回忌は?」
「ん、久しぶりにみんなにも会えたし、おばさんも元気そうだったよ。孫もいたし。」
「あーお姉ちゃんがいたもんねぇ!じゃあうちと一緒で孫の世話で忙しいだろうね!」
私は軽く、うなづいて泣いてる涼を抱え自分の部屋にむかった。結婚して2年たつが私の部屋は、そのままにしてある。新居がせまい事を理由に学生時代書いていた日記帳やアルバムなどは、このクローゼットの中に置いてあるのだ。