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「………教室 戻ろうぜ」

俺は言った

冴慧が何か言いたげに真っ赤な眼で俺を見た

俺はふいっと顔を背けて立ち上がり冴慧に背中をむけた

そんな目で見んなよ


扉に向かって2・3歩歩く


「………陣」

そんな時
俺の服の裾を冴慧が掴んだ

「もうちょっと……ここにいてくれないかな?」

「冴慧………」

すがるような声に俺の足は動かなくなった


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陣はあたしに背中をむけて教室に戻ろうとしている

あたしを置いてくの?

あたし………陣にも置いていかれちゃうのかな?

そう思うといてもたってもいられなくなって反射的に陣の服を掴んだ


自分勝手だと思う

でも何かにすがってないと自分を保ってられないよ


「もうちょっと……ここにいてくれないかな?」

「冴慧………」


声を振り絞って言ったあたしに陣は足をとめた





「あのさ…冴慧」

しばらくの沈黙のあと陣がゆっくりとした口調で言った

「俺はさ…まだ冴慧のこと好きなんだっつの 杏と付き合いはじめたのもさ お前のこと忘れるためなんだよ」

「……え?」

「だからさ…こういうのやめてくんね?辛いんだよ 那智のかわりは」