「....」
走ってると、前からなぎさって子が歩いてきた
向こうもあたしに気づいたみたい
完璧睨まれてます...
「ねえっ」
「うおっと...」
すれ違う時、なぎさって子があたしの腕を掴む
「...なに?」
なぎさちゃんはあたしよりもちょっと身長が小さい
...だから可愛いのか
「あなた、遼平が好きなの?」
なぎさちゃんの目があたしの目を捉えてる
...あたしが中途半端な気持ちで接してきたから
この子も傷ついたんだ
傷つかない恋愛なんてないだろうけど
あたしの気持ちが、中途半端だったから
傷つかなくていい人も傷ついた
「...そうだよ。あたし、遼平が好き」
「...あなたの教室で遼平、待ってる。早く行ってあげなよ」
「えっ...?」
予想外だった
もっと刃向わられるかと思ってた
「遼平があなたを泣かせたら教えて。あたしが遼平を怒るから」
「なぎさちゃん...」
あたしは廊下の真ん中でなぎさちゃんを抱き締めた
「ちょっ!?」
戸惑うなぎさちゃん