「ちょっと、離して」


クラスの視線が痛い


「俺、梓に言わなきゃいけないことたくさんあるんだよ」


「あたしは聞きたくないの」


「いいから来いって」


「梓、行っておいでよ」


玲がコソッと言う


はぁ...!?


玲まで言うの!?


玲はあたしと遼平が付き合ったことを知らない


だから楽なんだけど...


「玲まで...」


「行っておいで?」


「...分かったよ...」


このままクラスのみんなには迷惑かけれない


遼平の目もマジだ...


「行く。行くからせめて腕は離して」


「...分かった」


優しく手を離してくれた


あたしの腕には遼平の手形がくっきり


どんなけ力入れてたんだよ...


通りで痛いと思った


「どこ行くの?」


「梓がいつも居る場所」


あたしがいつも居る場所?


って言ったら...