ヤンキー彼女とメガネ君



「あー!!やっと梓っちが来たぁ♪」


たまり場は小さな空地


誰も寄って来ないから楽、かな


「今日も煙の匂いがプンプンするなぁ」


別に嫌いじゃないけど


「ほら、梓もこれ飲めよ」


「だからあたし、チューハイじゃなきゃダメだってば」


周りが酒を渡してくる


だけどあたし、チューハイじゃなきゃ飲めない


「梓もまだ子どもだなぁ?」


ムッ...


「あたし、これでも18歳ですけど?高校3年ですけど?」


「そう意地になるなよ」


恵吾さんがあたしの肩を抱く


「意地になってません」


恵吾さんの手を振り払う


「梓は彼氏、居ねぇの?」


「彼氏?必要ないね、別に」


うざいだけじゃん


何が良くて付き合うんだか?


羨ましい、なんて一切思わない


「梓も一応女だろ?」


「は――?」


一瞬、何が起こったのか分からなかった


恵吾さんが、あたしにキスをした


あたしはそのまま動けなかった


何が起こったか分かんなくて...