「気づいたらその人の声しか聞こえてなくて。その人を考えれば心が痛んだり和らいだり...」


「へぇー...」


「まだ石川ちゃんは若いんだし。傷ついて傷つけて、大人になればいいんだよ?後悔して泣いて、叫んで怒って...そうゆうのって大事だと思うな、あたしは」


さゆりちゃんは清々しい笑顔で答えた


「そっか、ありがと。ベッド借りるね」


「教室戻るときは声かけてね♪」


「あーい」


1つのベッドに寝転んだ


ちゃんとカーテンは閉めて...


「あ、石川ちゃん!!」


「なに?」


5分経ってからカーテン越しにさゆりちゃんの声が聞こえた


「あたし、ちょっと用事あって職員室に行くから。帰る時は机の上の紙に書いておいてね」


「りょーかい」


バタン


保健室のドアが閉まる音がした


「...はぁー...」


長い溜息が出る


ほんと...あたし...何してるんだろう...?


ガラッ


やばっ!!!


さゆりちゃん居ないのに入って来ちゃったよ!?


あたし、どうするの!?


このまま寝たふり!?


...大丈夫だろ


誰もカーテン閉まってるとこに入って来るはずない...