ガラッ


「せんせー、ベッド貸してー」


保健の先生とは仲がいい


色々とお世話になったから


「石川ちゃん、今日はどうしたの?」


さゆりちゃん(24)はあたしと同じような経験をしていたらしい


用はヤンキー女子ってやつ?


「ちょっと体調が悪くて~」


「まだしっかり治ってなかったのね?いいよ、ベッド使っても。適当に使って~」


さゆりちゃんは仕事をしていた


あたしはさゆりちゃんの前に椅子を持って来て座る


「寝なくて大丈夫なの?」


「うん、さゆりちゃんと話したいから」


「あらら。ついに石川ちゃんにも恋の悩みかしら?」


「うーん、微妙かな」


さゆりちゃんはあたしと向き合う


「ねえ、さゆりちゃん?」


「ん?」


「好きって何?」


「うーん...好き、かぁ...」


さゆりちゃんは悩む


あたしだって悩んでる


答えさえ出れば...あたしは何かが変われる


ような気がする


「好き、は好きなんだよ」


「...え?」


さゆりちゃん、それ答えになってないし...