「梓!!!」


遼平があたしを呼ぶ


だけど無視


気づかないフリ


「梓、呼んでるよ?」


「....」


寝たフリ


「あれ、梓?」


「梓!!!」


まだ遼平は呼んでる


...っるせぇな...


あたしは起き上がる


「玲、保健室行ってくる」


「あ、うん。分かった」


あたしは遼平の横を通る


「ちょっ、梓」


遼平があたしの腕を掴む


隣には彼女が居るくせに


「誰?アンタ」


「...は?」


「離して。体調悪いから保健室行きたいから」


無理矢理手を振りきる


もうどうでもいい


彼女だけを見ててよ


そしたらあたしは忘れるから


そうやって...あたしに構わないで


あたしの名前を呼ばないで