「何?何もないならもう、あたしに顔を見せないで」


「梓...」


遼平があたしに近寄る


「ちょっ、来ないでよ」


あたしも1歩ずつ下がる


だけど壁があってもう下がれない


「俺...梓と居たい」


「...は?」


いやいやいや...


意味分かんないし...


「梓が居ないと俺、やっぱダメみたいだから」


「ふざけんなっつうの」


クスッと鼻で笑う


「遼平、早く帰ろうよ~?」


あたしの目の前には遼平が居る


横には...あたしにそっくりな女の子が居た


「...誰、この人」


女の子が遼平の腕にくっつく


「なぎさ...」


へぇ、帰って来たんだ


「遼平の彼女?」


「そうですけど...あなた、女の子なのに金髪なんだね」


「だったら何?他人に指図される義務、ありませんけど」


「あたしと同じ顔なのに全然似てないわね、この人」


当たり前


あたし、アンタなんかに似たくないし


ムカつく