「...梓、暑くないのか?」
「あ?」
あたしの顔を覗き込む遼平
「ンだよ...別に関係ないし」
あたしは背を向ける
「そうだな...俺ら別れたもんな」
「....」
だったら...なんで話し掛けるの
「昨日、なぎさから電話あった」
へぇー
良かったじゃん
「明日、日本に着くって」
...帰ってくるんだ
そしたら遼平は...
「俺、なぎさとよりを戻そうと思う」
「...良かったじゃん」
背中を向けたまま呟く
「...それだけ?」
「他に何を言ってほしいわけ?」
あたし達、何もないし
「梓はそれでいいの?」
「は?」
遼平を見つめる
「...何も。じゃあな、梓」
遼平はそう言って、屋上を出て行った
何、アイツ
アイツはあたしに何を望んだわけ?


