「俺の、彼女」
「.....」
過去形じゃない
現在進行形だった
「だけど、高校に入学するのを待たずにアメリカに行った」
「...アメリカ?」
頭悪いから分かんないけど
とりあえず英語喋るトコでしょ?
「自分の夢を見つけたからって。だから待っててほしいって、言われた」
それで?
「じゃあなんであたしと付き合ってるの?」
「口封じのためで...」
「さっき好きって言ってくれたじゃん」
「それは...」
「あたしはあの子の代わり?結局あたしは...遼平の中に入れなかったってこと?」
遼平は写真を手に取って眺めてる
「なぎさは...帰って来てくれる」
結局そのなぎさって子の代わりなんでしょ?
あたしを見てくれてたわけじゃないんでしょ?
「いつもキスしてくれたのは...その子と重ねてたからでしょ?」
「....」
やっぱり遼平は何も言わなかった
「...もうだめだね。あたし、遼平のこと何も言わないから。じゃあね」
あたしは遼平の背中にそう呟いて家を出た
あの子が戻ってきたらあたしは捨てられる
捨てられる前に捨ててやる
別に遼平居なくても平気だし