「はぁ...」
あたし、何してるんだろう
こんなことがしたいんじゃない
ただ遼平にあたしを想ってほしい
あたしは...遼平が好きなんだ
絶対好きになりたくなかったのに...
あんな奴...好きじゃないのに...
でも遼平の優しさが、笑顔が
全部が忘れられない...
「ばっかみたい...」
「何がバカだって?」
「...恵吾さん...?」
「久しぶりだな、梓」
振り返った後ろには恵吾さんがタバコを銜えて立っていた
「どうして恵吾さんが?」
「梓、俺と付き合わねえ?」
「...はい?」
急に何言ってるわけ?この人
「ちょ、冗談はやめてくださいよ...」
あたしは笑えない
「冗談じゃねえ」
「ちょっ...」
恵吾さんがあたしにキスをしようとする
あたしは必死に拒む
体が、恵吾さんを受け入れない
それだけ...遼平が好きなんだ...