「なんで?」


「はい?」


「なんで離さなきゃいけないの?」


「なんでって...当たり前じゃん」


こんなとこ、誰かに見られたら...


「バレたらヤバいから」


「別に。俺はバレてもいい」


「良くない!!!」


勢いよく遼平の手を振りきる


「なんで?バレてほしくないの?」


「当たり前だろ!?」


あたしとなんかと付き合って...いいことなんかない


つい俯いてしまう


「梓は他の女と比べようにもないような可愛さを持ってる」


「は?」


顔を上げたら遼平がキスを落とした


「梓は可愛いよ、誰よりも」


「っ///」


つい顔が赤くなる


「バ...バカ言わないで!!!」


遼平を置いて走った


何、アイツ


あたしで遊んでるの?


「...クスッ」


走ってるうちにアホらしくなった


あたし、遼平のこと好きじゃないんだし


赤くなる必要ないじゃん


あたしってバカー