不覚にもドキッとした
なんであたし、名前聞かれてるんだろう
「...てか知らないの？」
あたしの名前
「聞いたことはある。けど忘れた」
...こんな奴も居るんだね
「石川梓」
「そ。じゃあ梓、ありがと」
あたしからメガネを奪い取って、去って行った
「...何アイツ」
「梓～？」
「あ、玲。早く行こっ」
「結局行くのね...」
呆れ気味にあたしのあとをついてくる
玲はアイツの顔、見てないのかな？
てかあたし、名前聞いてないし...
あんなイケメン、居たっけ？
うちの学校に興味ないから見てないや...
...普段あんなダサいメガネしてれば分かんないか
「...梓？」
「へっ？」
学校を出てから急に玲が声を掛けた
「なに？」
「梓、なんか考え事してるでしょ？」
ギクーッ...
バレてるし...
