「だぁってぇ...眠いんだもん...」
目がトロンとしてきた
「だからってダメー!!!」
玲が必死に起こそうとする
だけどあたしには全然効果ない
「おやすみぃ...」
「梓ー!!!」
「貸せ」
体がフワッと浮いた気がする
「ほぇ...?」
うっすら目を開ける
「梓、酔いすぎ」
フッと笑う顔が遼平と重なった
よく見えないけど...
「悪いけど、コイツん家ってどこ?」
「えっ...」
「送ってくから。あ、そのビールちゃんと処分しといてな。バレたら退学だろ?アンタも梓も」
...何を話してるの...?
この人は...誰...?
「あなたは...誰...?」
「俺?んー...梓の男、かな」
「えっ!?」
「秘密にしといて」
男は玲に笑った
「梓の家...ここです...」
「ありがと。アンタも早く帰れよ。夜遅くなるから」
「はい...」
男はあたしを横抱きしたまま家の中に入った
それからの記憶は一切ない...


