玲には敵わないな、あたし...


「しょうがないなぁ...」


カバンを背負って男子の群れに近付く


「あんさぁ」


気怠く話しかける


「あ?ンだよ」


1人の男が振り返って表情が固まる


「1人の男に複数でケンカしようなんて、醜いよ。可哀想だね~、大人数じゃなきゃケンカ出来ないなんて?」


「クソッ...」


男たちは逃げて行った


「いってぇー...あ、メガネ割れたし...」


ボロボロの男をあたしは見下げてる


「アンタ、大丈夫?」


「あ、はい。大丈夫です」


あたしは足元に転がってるメガネを拾い上げる


「あー、思いっきり割れてるね、レンズ」


「そうっすね。俺、このメガネしかないのに...」


ふらつきながら男は立ち上がる


「まじいってぇし...」


「...っ」


あたしは目を疑った


え...イケメンじゃん...


目の前に居るのはとてつもなくイケメン


今まで見たことのないイケメン!!


「アンタ、名前は?」


「...あたし?」