放課後になって、教室に置いてある私服に着替える


「あずちゃん、今日の私服可愛いねぇ♪」


クラスの女子が騒ぎ出す


「ありがとー」


ヤンキーでもあるけど、一応友達は多い方かな


学校じゃ生徒にあんまり怒らない


キレるとしたら先生くらいかな


ムカつくからね


「...あの、石川さん...」


「あ?」


廊下を歩いてると後ろから声を掛けられる


出た、遼平...


「何?まだ何か用?」


「これ...落ちてたよ?」


手を広げる前に、遼平の腕を掴んで誰も居ない教室へ...


「アンタさ、普通学校に持ってくる!?」


「じゃあ何?他のとこで渡せってか?」


メガネを取って、前髪をかきあげる遼平


その仕草がちょっとカッコいいと思ってしまった...


「とにかく、あたしに近付かないで」


タバコの箱を取り上げて、ポッケに押し込む


「なんで?俺ら、付き合ってるだろ?」


「...は?」


え、どうしたらそうなるの?


あたしいつ返事した?



「私服、可愛いじゃん」


頭を撫でられた