「ほれ、着いた」
「ヒック...恵吾さぁん...」
あたしの意識は朦朧としてる
「ったく...」
恵吾さんがあたしを横抱きして家の中に入ってく
家には誰も居ない
親は...よく分からない
全然帰って来ない
あたしがこうなったのも知ってるかどうか...
「ほれ、よく眠れ」
あたしのベッドに降ろされる
あたしはとっさに恵吾さんの服を掴む
「...今日もか?」
「ごめんなさい...」
あたしが酔うと、いつもこう
1人が怖いから...いつも恵吾さんに居てもらう
あたしが寝つけるまで
ずっと居てくれる
「分かった。お前が眠れるまで居てやっから」
「ありがとう...」
恵吾さんがあたしの手を握ってくれる
少し安心する
きっと...小さい頃はこうしてくれたかな
あたしのお母さんとお父さん...
気づいたらあたしは家で1人だった
家族の愛情とか全然分かんなかった
愛情って何?って問うようになった