佐々木海 海君の病室。 深呼吸をして部屋に入る。 一つだけ置いてあるベッドの上に、海君は眠っていた。 海君の隣に座りこみ、手を握る。 「ごめんね、あたしなんかと付き合ったから…っ。だからこんなことにっ…っ」 「な、くな」 え…? 「泣くな。謝るのは俺の、ほうだ」 途切れ途切れに海君が話し出す。