君を愛する

パートを借りて子供だけで暮らすのはダメだが、黙っとけば何とかなるだろう。それに、二人で住んだ方が、親と暮らすより気楽でいいだろう。あと、お腹が大きくなり始めたら学校は休みなさい。学校にはお父さんから何とか言っておこう」
「ありがとう」照れながらそう言った。そして、すぐに自分の部屋に戻り修二に電話を掛けた。
「修二、私の両親が結婚と出産を認めてくれたよ。修二のおじさんに説得されたらしい」
「ああ、さっき親父から聞いたよ。本当によかったな。絶対幸せな家庭を築こうな」修二は嬉しそうに言った。その後もずっと他愛のない話をしていた。
 次の朝、私はお母さんに叩き起こされた。昨日はずっと修二と電話していたから、殆ど寝ていなかった。無理やり体を起こすと、学校に行く準備をした。
「朝ご飯はちゃんと食べていきなさいよ。赤ちゃんのためにも、栄養はしっかり摂らなきゃ駄目だからね」そう言われ、食卓に行くと普段より多いご飯が用意されていた。
「お母さん、これはさすがに多すぎない? 私、小食だから食べれないよ?」
「何言ってるの。今はそうでもないかもしれないけど、赤ちゃんが大きくなってきたらそのくらいは食べないと体力が持たないわよ。彩香のお腹には、もう一つの命が宿ってるんだからね。その子のためにも、たくさん食べなきゃ」微笑みながらそう言うと、更にもう一品出してきた。
「仕方ないか。この子のためにも、頑張って食べようかな。やっぱり、出産を経験した人の話は説得力があるね」
「そりゃそうだよ。あなたの時は初産だったし、本当に大変だったわ。でも、彩香は十代での出産になるから、もっと大変だと思うわ」
「そうなんだ。でも、この子のためだったら頑張れるような気がする」照れながらそう言って、自分のお腹に手を当てた。
「彩香、早く食べないと遅刻するわよ」
「そうだった」彩香は急いで朝ご飯を食べ始めた。そして軽く身支度をしてから、家を出ようとした時、お母さんが呼び止めてきた。
「彩香、激しい運動とかお腹に衝撃を与えたりしてしまうと、流産してしまうかもしれないから絶対駄目だからね」
「分かってるよ。じゃあ、行ってきます」笑顔でそう言うと、学校に向かった。
 学校に着くと、皆はもう先に着いていた。私がクラスに入ると、秀たちが私のもとへと駆け寄ってきて、小声で聞いてきた。