君を愛する

「彩香、今日はゆっくり体を休めろ。何があったかは明日美咲たちも連れて聞きに来るから、明日学校休んでまた彩香の家に来るよ。女同士でしか話せないこともあるだろうし」彩香の頭を撫でながらそう言って、彩香のおばさんに事情を説明して一旦は自分の家に帰ることにした。
 自分の家に帰る途中、秀に電話をした。
「秀、たった今彩香のこと家まで送り届けたよ。今から俺の家に来れないか? できれば美咲と里穂と愛恵も連れて」
「分かった。じゃあ、美咲と里穂と愛恵には俺から連絡する。修二の家に着くまで少し時間かかるから、それまでお前も体を休めろ」
 俺は小さな声で「分かった」と言って電話を切った。こういう時には秀は信頼できると、つくづく思う。
 三十分後、秀たちが俺の家に来た。「とりあえず入ってくれ。話はそれからだ」機嫌が悪そうに修二は家に秀たちを入れた。
 修二の部屋に入ると、重苦しい雰囲気になった。彩香の身に何が起こったのか、それさえも分からずにいたため、誰も言葉を発しようとしなかった。そんな中、修二が口を開いた。
「皆、すまない。俺がちゃんとしていなかったせいで、彩香のことを守れなかった……」
 修二がそう言うと、泣き出してしまった。そんな中美咲が修二の隣に寄り添い、背中を撫でた。
「修二のせいじゃないよ。これはもう、どうしようもなかったんだ……」
「そうだよ、絶対お前のせいじゃない」秀が強い口調で言った。
 修二は長い間泣き続け、落ち着いたときに喋りはじめた。
「俺、バイトで残業が入って普段より終わるのが遅かったんだ。それで、一人で待ってるのもつまらないだろうからって、彩香ひとりで帰らせってしまった。あの時、彩香のことを一人で帰らせなかったら、バイト終わるまで待ってもらって一緒に帰ったらあんなことにはならなかったのに……」言葉を詰まらせながら言った。
 そんな話を聞いていた美咲が泣き出してしまった。美咲は彩香とは大親友だもんな、と思い秀が慰めた。
「とりあえず、明日学校休んで彩香の家に行くから、皆も付き合ってくれ。彩香の話を聞かないと始まらないから」修二は皆に頭を下げて頼んだ。
 その日は皆修二の部屋に泊まり、誰一人として寝ようとはしなかった。とうとう朝がきて、彩香の親に連絡をして今から家に行くことを伝えた。