「告白の答え、今じゃなくていい。ちゃんと考えてくれるなら、離すよ。」

こく、こくと頷く海ちゃんを見て、俺は手を離した。

海ちゃんの顔は真っ赤だった。

やっぱり、海ちゃんは可愛い。

「…海ちゃんの話も、俺の話も、二人だけの秘密。分かった?」

また、何度も頷く海ちゃんを見て愛しさがこみ上げる。

「よし。」

俺が頭を撫でると、少しビクッとする海ちゃんに思わず笑った。

じゃあねと言って俺は教室に戻った。

「空もたまには良いことするよな。」
俺はそう思って、ポツリと呟いた。