「その時以来、会えてないんです。
今思うと、あれが私の初恋でした。」

その男の子の言葉、自分も言ったかもと思うと、俺に似ているのかもしれない。

だけど、その男の子は俺じゃない。

「つまらなかったですよね、ごめんなさい。」

黙ってたから、勘違いしたようだ。

「いや、聞かせてくれてありがとう。
…その男の子の名前は?
忘れちゃったの?」

「…覚えてますけど、秘密です。」

流石に名前は教えてくれないか…。

それでもこの話はまだ俺しか知らない。
それは、なんとも言えない気分だ。