しかし、そんな日も過ぎて。
そらくんが暗い顔する時があって、段々増えてきた。

悲しい顔をしている時に、ついに私は聞いた。

「どうしたの?」

「僕、また引っ越すんだ。
…もうすぐさよならなんだ。」

最後まで言えなかったんだと思う。

「えっ…嫌だ!いなくならないで!」

「僕も、うみちゃんと遊べないのは嫌だ。」

場所は隣町だったけど、幼い私達とって、それは凄く遠い場所だった。

「ッ……遠くにいっちゃ、嫌だよぉ〜」

「泣かないで、絶対遊びに行くから。また遊ぼう?」

「うん……やくそ、く、だよ…?」

「うん、約束。うみちゃん、これあげる。手を出して。」