「水月の好きな人はね、陸先輩なんだ。だけど、お祭りの時にブレスレット貰ったのは私だけなの。先輩、水月にはあげなかった。水月が聞いたら悲しむから、余計言えない…だから頼れないんだ。」

一年は少しの間無言になり、その後ふふっと笑う声が聞こえた。

「大丈夫、なんとかなるよね。」

一年は椿の木にお辞儀をして去って行った。

誰にも言わず、一人ここで耐えているのは、それが原因か。

陸に伝えた方がいい気がした。