あれは…痛そうだ。

思わずまた本を見たが、耳は傾けた。

「先輩達は誤解している。私は、陸先輩を友達や先輩だと思ってるのに、分かってくれなくて…。」

優しい風が吹き、椿の葉が少し揺れる。

「ありがとう。」

慰めてくれたと思ったのか、一年が椿に向ってお礼を言っているのが聞こえた。

数分も経たないうちに、一年は立ち上がった。

「はぁ…話したら楽になったかも。
今日は帰ります。よかったらまた明日お返事ください。」

そう言って帰った。

お返事くださいと言われたら、あげるしかないよな…。

俺は本を閉じた。

本当は来るなと書きたいが…事情を聞くと言いづらい。

俺は別のことを書くことにした。