教科書を全部持ち帰りたい。
けど、盗られた教科書が返されないと困るので、出来ない。

なるべく水月と一緒にいたい。
だけど、ずっと一緒にいられる訳じゃない。

それに、最初こそ水月といる時は何もなかったが、今は水月がいても低頻度でぶつかられるようになった。

「ごめんなさい」と言い、すぐ喋りながら笑って去っていく人達。
本当は謝っていないと思う。

「大丈夫?」
「うん。」
「海のドジっ子気質、まだ直らないんだね。」

昔からよく人にぶつかったり、こけたりしていたおかげ?なのか、水月はまだ気づいていない。

…水月には心配かけたくない。