「水色がいいです。」

よくクローバーから覗く空の色に近い水色が、私は一番好きだった。

「水月ちゃん。」

「…あっ、はい!」

まだ男の子と喋っていた水月は、
陸先輩の呼びかけを聞いて慌ててこっちに来た。

「なんですか?」

「ウサギのキーホルダー、
水月ちゃんは何色がいい?」


「え、三人で色違い…ですか?」

水月は私の手に乗る水色のうさぎのキーホルダーと、陸先輩の手にある3つのうさぎのキーホルダーを見た。

「…嫌だった?」

急にシュンとした寂しそうな声を出す陸先輩。

「あぁ、そういう訳じゃ…!
全然嫌じゃないです!」

水月は慌てて否定して、ピンクのうさぎのキーホルダーを選んだ。

昔から水月はピンク、
私は水色だったな…。

「好きな色、今も変わらないね。」
「まぁ、お互いそうだね。」

二人して笑う。