「その話聞いてると思うんだけどさ、
やっぱり海に気があるんじゃない？」

「え〜？まさかぁ。」

「じゃなきゃ、大勢のファンからメルアド死守してる人が交換してくれなんて頼まないよ。」

そう言われて、押し黙る。

「これで海も初恋とはサヨナラかな。」

「それはないよ。」

…それだけは、ね。

「…も〜！
そんなことしてモタモタしてたら、
一生初恋だけで終わっちゃうよ〜？」

「…大丈夫、分かってるよ。」

もう少しだけだから。
約束したから、待ちたいんだ。

「北野さん、呼んでるよ。」

いつもは大人しい女の子が、赤い顔をして話しかけてきた。

うーん…多分、陸先輩かな。

「まぁ、海が決める事だし強くは言わないよ。」

騒がれちゃうから早く行ってきな、と水月に押されて私は教室から出た。