「…海。
まだやってるのか、それ。」

いつの間に近くにきたのか、
椿さんが声をかけてきた。

「はい。」

癖になってるから…仕方ない。

「はぁ……。」

溜息の音が聞こえたと思ったら、
キーホルダーを奪われる。

「あっ!」

振り向こうとしたら、椿さんに、クルッと身体ごと向かせられる。

そして、そのまま抱きしめられる。

「ちょっ、椿さん!?」

「空。」

「空…くん。」

「いい加減慣れて。」

「こればっかりは…」

椿さんだから…ねぇ?

「それと、それは俺がいない時にって渡したやつでしょ。
…今は、俺が居るんだけど。」

少し拗ねたような口調。