向かい風を受け走りながら、帰った可能性を考える。

出来れば帰っていて欲しい。
風邪を引いてしまう。

だが、前に待ってろと言った時…
馬鹿真面目にその場で待ち、寝ていたのが北野だ。

まだいる可能性は高い。

…公園まで後少し。


「あ…椿さん。」

予想的中だが、全く喜べない。

「お前…これだけ、
時間が過ぎたら、帰れ…。」

「よかった…何かあったのかなって心配で…。」

俺は息切れで、言葉が続かない。
…そして会話が成立してない。

「……随分前に、正門出ただろう。
来ないのに何故帰らなかった。」

責めるような言葉が口から出た。
まずは俺が謝るべきだと、頭では分かっていたのに。