「みー君って呼ばないで。」

みー君と呼ばれた子は、四つ葉のクローバーを海ちゃんに渡してから、
不機嫌そうな顔をして、海ちゃんのほっぺを引っ張る。

「い、いひゃい、みーきゅん。」

それでも海ちゃんはやめなかった。

「海がやめないなら…」

みー君は軽々と、海ちゃんのことを呼び捨てで呼んだ。

みー君がほっぺから手を離す。

あ…っと思った瞬間、みー君が、
海ちゃんの頬にキスをした。

「何するの!」

ほっぺを触りながらまた頬を膨らませる海ちゃん。

「海が呼ぶのをやめないから。
呼んだらまたするよ。」

そんな会話が聞こえて、
石のように固まる。

そんな僕の姿をみー君がチラ見する。

「ほら、海、早く僕の家に行こう?」
みー君は海ちゃんの手を掴む。