「…ねぇ!今の陸先輩だよね?」

「わっ!…水月かぁ、驚かさないでよ。」

「驚いたはこっちの台詞だよ。
こっちが必死になって教室からここまでキーホルダー探してたのに。
何、自分はちゃっかり先輩と仲良くなってるの。」

う…水月の言葉が棘々しくて、痛いほど刺さる。

「ごめんなさい。」

「いいよ。その顔だとキーホルダー見つかったんでしょ?」

「うん。陸先輩が見つけてくれたの。」

って、あれ?

「何で陸先輩のこと知ってるの?」

「…それについては教室で話、
聞かせて…ね?」

う、教室が取調室って聞こえる…。

水月に引っ張られて、
私は心の中で震えながら教室に戻った。