俺は教室で本を読んでいる。

誰もいなくなって静かだな…と思っていたのに。

「空〜」

…一気にうるさくなった。

「なんだよ。」

本を読みながら聞く。

「俺、フられた〜」

珍しいな、と一瞬思った…だが、すぐに理解する。

「北野が、やっとフったのか。」

優柔不断だな。

「そうそう…え?やっと?」

顔を上げて陸を見ると…陸は驚いていた。

「北野はお前のこと最初からなんとも思ってなかった。俺は理由を知ってる。」

「なんだよ、理由って。」

北野の友達が陸のこと好きだからだ。

「…絶対言わない。」