心配そうな彼女を安心させるために、大丈夫の意味を込めて、頭をポンポンと二回。

「行ってくる。」

「まって椿さん!…ここに、帰ってくる?」

俺は頷く。

「…やくそく、だよ。」

子供っぽい彼女のセリフに、少し笑う。
懐かしいな、その台詞。

「…あぁ、約束する。」

「…じゃあ、これ。」

「…星の砂?」

「私の大切な宝物の一つ。」

宝物なら、俺に渡すなよ。

「必ず返しに来てね。」

…そういことか。

「…分かった。」

どうやら俺はこれ返すために必ず戻ることになりそうだ。