「待て。」

俺は彼女の肩をつかみ、呼び止めた。

「え?……誰ですか?」

困ったような声が聞こえる。

…当たり前の反応か。

「『椿さん』と言えば、分かるか?」

驚いた顔をする彼女。

「言いたいことがある、さっきの場所にもう一度来てくれ。」

「…は、はい。」

また、彼女がいつもの場所に座る。

俺は隣に座り、何から話そうか…と考えていたら、彼女が話しかけてきた。

「…あなたが椿さんだったんですね。」

彼女は笑って言った。

質問や返事が来るのは嬉しかったし、話していて気が楽になったから、余計な詮索して絶えないように、誰が書いてる気にしつつ黙っていたらしい。