こんなことになったのは、おそらく…。

俺は目の前にある椿の木を見た。

それほど日数は経っていないのに…一年の話しを聞くことが、既に習慣になっていた…ということだろう。

そう思い、はぁ…っとため息をつく。

全く、どうしてくれるんだ、
女は嫌いだったのに。

まぁ、それで不都合があるかと言えば、本が読みにくいということだけなのだが。

「…そろそろ行くね。」

涙をふいて、バイバイ椿さん…と言って体育館の角を曲がって帰っていく。

ヒュウッ…
…また冷たい風が吹いた。

…このままで良い訳がない。