陸に抱きつかれて告白され、それを親友に見られて誤解されて、絶交…。
大体こんな内容だった。

『良くなった』なんて、
俺の思い違いも甚だしい。

「私…初恋の人が、ずっと好き、で…水月は、それ、知ってた、なのに…。」

それも否定されちゃった…と一年は泣きながら笑顔を浮かべていた。

…俺は一年を呼び出して、陸に告白を促した。
つまり、きっかけを作ったのは俺だ。

俺はずっと手を止めていた本を閉じる。

この場所が以前のように静かになればいいと思ったから行動した。

だが静かになってみると、物寂しく感じた。
風の冷たさを強く感じた。

…可笑しい。

誰も来なくて静かで落ち着けるから、この場所が好きだったはずなのに。