一年が来なくなり、手紙のやりとりもなくなった。

陸のファンは変わらず陸にまとわりついていたが、最近の陸は上機嫌だ。

…うまくいったのか?

そんなことを考えていると、ヒュゥッと冷たい風が吹いた。
この場所も寒くなった気がする。

『…もの寂しい。』
それは最近気づいたことだ。


一応、『最近、うまくいったのか?』とだけ書いた手紙を椿の木に結んでいる。

もし、ここに来て手紙を読んだら…一年の話を全て聞けたらいい。

…と、そこに足音が聞こえた。

ここに放課後来る人は決まっている。
俺は顔を上げた。


当たった…一年だ。