「な、何!?」




 なんで何もない所から…?




「…魔力だ……」

「殺気も感じるね…」

「あぁ…」




 私たちを取り囲むように大きな魔力と殺気が渦巻いてる。





 でもなんで?




 こんな地味な方法じゃなくても魔力なら他にもっとひどいことができる。




 っていうか…どこからこの魔力来てるの?






『もしもーし? おい、海斗。無視か!!』

「…あ、わりい。ちょっと後にして」




 そう言ってケータイを閉じてポケットにしまった。






 周りにいた人が青い顔でこっちを見てる。





「…ケガねぇ?」

「…うん」

「殺気とか誰だよ…」




 はぁ…と大きなため息をつくと私を抱きかかえた。




「とりあえず家が一番安心だ。帰るぞ」

「…わかったから下ろして!?」