吸血男子

 21時を回ったころ。



「あ、彼氏が迎えにきてくれるって」



 凛がケータイを見ながら言った。




「「みたい!!」」

「陸君に似てるよ? 性格が」



 前に聞いたことがある。




 でも、見たことはなかったんだよね~。





 こんなお腹大きい状態であっても大丈夫かな。





 30分後ぐらいにチャイムがなった。





「あ、来たんじゃない?」

「かもー」



 3人で玄関に向かう。



 私が扉を開ける。



「あ、バカ。ちゃんと誰か確認してからにし…」

「ただいま」



 そこに立っていたのは彼氏さんじゃなくて海斗君。




「え、何? なんでそんなガッカリされてんの」

「えーっと…まぁ! 海斗君、おかえり♪」



 コートを脱がせた。




「みんなで誰待ってたんだ?」

「凛の彼氏さんだよ」