とうとう始まった式。



「…お世話になった―――…」



 海斗君の声も少し震えてる。




 誰も楽しそうにしていない。






 静まり返った体育館に海斗君の声が響くと共に鼻をすする音が聞こえる。




「海斗先輩ぃー…」

「会長ー…」




 男女ともに人気があった海斗君への悲しみの声が絶えない。





 式が終わってからはもうすごかった。




 朝にはなかったラブレターが机の上に山積みだ。




「うわーー…なんだよこれ」



 片手で目を覆い、嘆いてる。




「ちゃんと全部読まないとね」

「マジで? 俺、そんな暇じゃねぇこと知ってるだろ…」

「女の子の気持ち無駄にする気?」

「…はぁ…」



 椅子に座って鞄にラブレターを詰め込みだした海斗君。




 それからも写真を頼まれたり、食べ物がたくさん来たり…。