吸血男子

「げ…体育かよ…」


 教室に戻るとすでに誰もいない。



 急いで更衣室に行く。




「海斗おせぇよ。どこ行ってたんだよ」

「わりぃ」



 霧に謝って急いでジャージに着替えた。




 美梨亜が昨日洗ってくれたブランドのジャージから甘い柔軟剤の香りがする。




「海斗、顔色悪くね?」

「別に」

「いつものことか」

「だな」



 今日はいつも以上だけど(笑)




 でも、美梨亜のためだと思うとずいぶん楽になるんだぜ?




「バスケだって…女子はグラウンドだしかったりぃな…」



 氷咲がいないってだけで全然やる気が違う霧。




 俺は日光がないだけ有難い。