吸血男子

 *海斗side*



 前から目につけていた西野が行動に出た。



 予想通り危険なことを仕出かした。




「西野。ちょっと来い」


 すっげぇ睨まれたまま、廊下に出た。




「どういうつもりだよ?」

「何が」

「美梨亜はちゃんと断ってただろ」

「俺のプライドが許さないからね。まだ諦めてないよ」

「…美梨亜は俺のだ」



 睨みつけると一歩引いた西野。



「美梨亜ちゃんが決めることだろ。それは」

「美梨亜は離さないし、美梨亜にけがをさせるような奴には絶対渡さねぇ」

「けがをさせたのは君じゃないか。美梨亜ちゃんを守れなかった」




 なんだこいつ。



 くるってる。



「たしかに俺は美梨亜も一緒に守れなかった。でもお前の行動のほうがおかしいだろ」

「あはははははっ!!! 俺の行動がおかしいって!? どこがだよ!?」



 急に大声をあげて笑いだした。



「…あ? 全部だよ、絶対美梨亜に近づくな」


 威圧感をハンパなく備え付けて睨んだ。



「こ、こんな男のどこがいいんだか!!」


 そう言って教室に戻って行った西野。