「あのね…まず二股は本当にしてない」

「あぁ」



 ココアを入れてくれた海斗君は私の隣に座った。



 私はゆっくりと全部話した。




 海斗君は相槌を打ちながらちゃんと聞いてくれた。





 嫌がらせを受けていたことも、イレイズで隠してたことも…全部。






「私、悪いことしたかな…?」

「してぇよ…美梨亜は何も悪くねぇ」



 引き寄せて抱きしめてくれた海斗君は頭を撫でてくれた。





「陸と一緒にいたのは美鈴だろ?」

「うん」

「裏庭のことは途切れ途切れだけど…聞こえてた。何かゴミの匂いもしてた」

「うん」

「まさか美梨亜だと思わなくて…ごめんな?」




 謝るのはこっちだよ。



 頼れって言われてたのにいうことを聞かなかったんだもん。