吸血男子

「きゃっ!!」


 上を見ると同時に生ごみも落ちてきた。


 ……なんで?



 魔法でどうにか出来る問題だけど…後輩に危害は加えれない。




「先輩」

「…な、に…」

「臭いですよ~? そんなんじゃ海斗先輩どころかみんなから避けられちゃいますね~」

「……」

「海斗先輩は私がもらいますね?」



 そういう女の子はたしかにすごく可愛い。



「優里(ゆり)、行こ? 海斗先輩たぶん裏庭にいるんじゃない?」

「そうね。先輩はここでおとなしくしててくださいね。邪魔しないでくださいよ」





 優里と呼ばれた子は綺麗に巻かれた髪をなびかせて嫌な笑みを見せると行ってしまった。



 たしかに…このままじゃ行けないし…。




 私は仕方なくケータイを取り出す。





 2回目のコールの途中で出来た海斗君。



「どした?」

「あ、海斗君? 今日さ、先生に呼ばれてるの忘れてて…お昼行けないから先食べちゃって?」

「……わかった」


 そう言って切れた電話。


 上手く、笑えたよね?