「あ、そう言えば…クリスマスの日、公園で中村先輩と黒川先輩見たよ」

「マジで? やっぱり二股なんじゃない?」



 そんな記憶ない…。


 第一、クリスマスは実家に戻ってそれから海斗君といたもん。






 しばらくすると涙は止まって、陸君もホッと一息みたい。



 海斗君が挨拶し終わって私の後ろの席に座った。




「美梨亜、泣いてた…?」

「え。な、泣いてないよ?」

「……へぇ? 目、赤いけど?」

「嘘ッ!!」



 急いで鏡をポケットから出して見る。



 …赤くないじゃん。



 騙された。




「嘘だし。…どうしたんだよ?」

「なんでもないの。ホントに」





 じっと私の顔を見て疑ってる。




「話したくなったら話して」

「うん。でも、ホントに何もないからね?」





 教室に戻ってショートホームルームを終わらせて家に帰る。