周りはライバルだらけって今、気付いたんだ。



 気付かれないように鼻をすする。



 でも、1人にはばれてた。





 海斗君は気付いてたかもしれない。




 その前に声をかけてくれたのは隣に座ってた陸君。





「美梨亜?」

「りッ…」



 制服の中に着てたセーターの袖で涙をぬぐってくれた。




「どうした?」

「ううん、なんでもないよッ」

「…そうか? 俺、鈍いから話してくれないとわかんねぇから…」



 少し困った顔で頭を掻く陸君。




「見て。今度は副会長の中村先輩よ」

「まさかの二股!?」




 また声が聞こえる。




 やめて。



 お願い。