教室に入るとすでにクラスの大半が来てる。




 苦手な霧君の隣の席に座ってベルが鳴るのを待つ。




「美梨亜、おはよう」

「雪乃~」



 後ろから声をかけられて振り返る。




「明けましておめでとうだね♪」

「おめでと」



 霧君をグッと押して椅子から落とし霧君の席に座った雪乃。



「いってぇな! 怪力女!!」

「あれ? 美梨亜、何か聞こえた?」

「雪乃! 俺の声を空耳扱いなんてな…」

「あ、まただ。空耳!」




 仲いいのか、悪いのか……。




「でねっ、美梨亜」


 何事もなかったかのように話しだした雪乃。



「ねぇ、聞いてる?」

「あ、うん!」


 霧君は床に座って雪乃を見てる。



 可哀相に…。





 でも、霧君は笑ってる。




 愛おしそうに雪乃を見ながら。