「あのね、海斗君」


 俺の胸に顔を埋めながら話しかけてきた。



「ん?」

「もうちょっと頼ってね? 私、海斗君の役にだって立ちたいし、頼ってくれないと不安にだってなるよ?」




 それ…男のセリフじゃねぇの?



「美梨亜も頼れよ? 俺、浮気とかは絶対あり得ないから」

「う、うん……」




 今回はどっちも頼れてなかったんだ。




 頼らないとお互いにギクシャクして不安にだってなる。





「じゃあ仲直りのチュー♪」



 俺が冗談でそう言ったのに、一気に赤面した美梨亜。




 面白い……。




「美梨亜からな」

「ぇえ!?」

「はい、決定」

「……目、瞑って…?」

「はいはい」



 俺は黙って目を瞑る。